映画「ヒアアフター」を見た

クリント・イーストウッドの映画に外れなし、
であるから、

内容的にはかなりへんてこな映画だったが、まあ退屈はしなかった。誉めているのか、けなしているのか良く分らないが、やはりこういう死後の世界を扱った映画は苦手。

 

自分は、死んだら人間はそれで終わりであり、死後の世界などなく、もしあるとすればそれは完全なる「無」であると信じている人間だから、丹波哲郎の『大霊界』はもちろんだが、最近の、例えば『ラブリー・ボーン』にしても面白く見たけれど、やはりあれは作り物だな、とちょっと引いてしまうところがある。

もちろん、人間が死んだあと天国へ行ったり地獄で苦しんだり、というのは話としては面白いわけで(カトリックの神父は説教でそれを強調し脅かして信者を引き止めた、というような感じだが)、例えば桂米朝の『地獄八景亡者の戯れ』なんていう落語は本当に面白いわけで、要するに完全なフィクション。自分が死んで地獄に行ったり、あるいは他の誰かに生まれ変わるなどとは全く思っていない。しかし、もしかしたらあるかもしれない、と思いたくなる気持ちも理解できる。そこらへんがこの問題の微妙なところ。

 

だが、死後の世界のことを落語のように語るのなら気楽に聞いていられるが、真面目ぶって語られると、ちょっと、である。